送電ロスとは…COLUMN

はじめに

私たちが普段使っている電気は、どのように送られてくるのでしょうか?
発電所で作られた電気はその後、いくつもの変電所や送配電線、柱上変圧器を経由して最終的に私たちの家庭まで届けられます。しかし、その送電の過程で、変電所での電圧変換や送電線の抵抗によって国内電力消費量の約3.4%(火力発電所7基分)もの電力が失われているのです。
そこで私たちは、この「送電ロス」を大幅に減らすことを可能にする新ナノ結晶軟磁性材料、「NANOMET®」の開発と実用化を目指し、日夜研究を行っています。

送電ロスとは?

発電所で発電した電気を一般家庭や事業設備などに送電する間に、変電所、送配電線の抵抗によって一部の電気エネルギーは熱や振動として失われてしまいます。これを送電ロス、あるいは送電力損失といい、電圧が小さいほど、送るまでの距離が長いほど電力損失が大きくなります。

送電のしくみ

また、その間に発生する送電ロスは、国内電力消費9850億kwhの約3.4%
(モータ・トランスの損失)、すなわち火力発電所7基分の電力に及びます。

国内電力消費量の種類および損失分の円グラフ

新しい材料開発の必要性と実用化に向けて

送電ロスを減らすためには電力損失の少ない革新的な材料開発が必要です。
また、実用化するためには材料を安価に大量生産することが大変重要となります。東北大学では電力損失の低減に効果的な、新しいナノ結晶軟磁性材料NANOMET®の開発に成功しました。今後は材料のさらなる改良と実用化に向けた実証研究に取り組みます。

NANOMET®の可能性について